「テセウスの船」竹内涼真は“視聴率の法則”を破れるか?
「原作が既に完結しているうえ、原作を読んでいなくても、勘のいい視聴者なら、初回で真犯人らしき人物が予測できてしまうような演出でした。昨年流行した、視聴者がSNS上で犯人や展開などを“考察”して盛り上がるドラマとは別物です」
ネット上には〈平成元年の時代考証がちょっとおかしい〉〈榮倉奈々の老け顔メークが怖い〉など細かな指摘もあるものの、〈鈴木亮平の演技がすごい〉〈映像のスケール感とストーリーの重厚さがいい〉など肯定的な意見が多い。〈今クールのナンバーワン〉という声もある。
このドラマの楽しみ方について、前出の亀井徳明氏はこう続ける。
「どの世代でも、単純にストーリーに身を委ねてワクワクドキドキ、“家族の絆”にウルウルするのが一番でしょう。さらに、平成元年へのタイムスリップというのがポイント。当時の記憶がある視聴者層には自身の30年の記憶をたどる機会にもなります。“父と息子”をテーマにした点も、父親世代にはグッと来るものがあるはず」
「1話完結型」「刑事もの」「医療もの」という“法則”から外れていることは、視聴率レースでは明らかなハンディ。それでも「テセウス」には、リアルタイムでテレビを見る層にアピールできる要素はある。次クールにいよいよ登場する「半沢直樹」に、竹内はいい流れでバトンを渡せるか?