著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

小山田耕三役の志村けんとそのモデル山田耕筰の共通点

公開日: 更新日:

 思わず「巧い」とひざを叩いてしまった。バラエティーでケンちゃんが見せる陽気な表情とはまったく違ったのである。新たな一面をさらけ出す志村から、このドラマに賭ける意気込みが伝わってきた。返す返すも、彼の死は残念でならない。

 ところで、小山田のモデルは童謡「赤とんぼ」や日本人初の交響曲「かちどきと平和」を作曲した山田耕筰、双浦は「蝶々夫人」が当たり役となったオペラ歌手の三浦環である。ドラマでは柴咲より32歳も上の志村が演じているだけに、山田のほうがずっと年上のように思えるが、実は三浦が2歳上。しかも、東京音楽学校(現東京芸術大)では、助教授を務める三浦が学生の山田を指導していた。

 山田と、演じる志村には共通点がある。2人とも、ものすごく女性にもてたのだ。志村が数々の女優や歌手と浮き名を流したことはよく知られているが、山田も負けず劣らずのプレーボーイだった。そのせいで大スキャンダルも起こしている。

 29歳の時、声楽家の永井郁子という女性と最初の結婚をした山田だったが、まもなく別の女性と関係を持ち、翌年離婚。これを知って激怒したのが、三菱財閥4代目総帥で山田の最大のパトロンだった岩崎小彌太である。山田が首席指揮者を務めていた日本初の交響楽団「東京フィルハーモニー会」は資金を断たれ、解散に追い込まれた。

 そうした意味では、さまざまな女性との関係がウワサされながら、大きな醜聞に発展しなかった志村のほうが、恋愛に関しては山田よりずっとスマートだったのかもしれない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  4. 4

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  5. 5

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  1. 6

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 7

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  3. 8

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  4. 9

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  5. 10

    女優・佐久間良子さんは86歳でも「病気ひとつないわ」 気晴らしはママ友5人と月1回の麻雀

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  2. 2

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  5. 5

    パワハラ告発されたJ1町田は黒田剛監督もクラブも四方八方敵だらけ…新たな「告発」待ったなしか?

  1. 6

    矢沢永吉「大切なお知らせ」は引退か新たな挑戦か…浮上するミック・ジャガーとの“点と線” 

  2. 7

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  3. 8

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 9

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 10

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは