深作欣二監督作「復活の日」40年ぶりリバイバル上映の意義
ところが今回、見終わって違う感情が沸いてきた。時間の経過とはいい意味で恐ろしい。だから、映画とは面白いものだともいえる。深作監督の作品歴を本作に重ね合わせることはなくなり、角川映画への邪心も消えた。作品そのものとしっかり向き合えたのである。
これが、できそうでなかなかできない。コロナ禍の予見映画という側面は確かに大きかった。だがそれ以上に筆者が感銘を受けたのは、外国の多くの有名俳優たちの起用の革新性とともに日本映画だからと、全くみくびった態度のない俳優たちの的確な演技力だ。長身の主演・草刈正雄(好印象)が、居並ぶボー・スヴェンソン、ジョージ・ケネディ、チャック・コナーズらのなかに入ると、小さく見えるのが微笑ましい。この構図自体が、日本映画の小さな枠組みを超えていく感動的な場面になりえているのだ。米大統領(グレン・フォード)の描き方など今のトランプ大統領と真逆で実に興味が湧く。
加えて、南極大陸近郊の海洋に浮かぶ本物の潜水艦の偉容(チリから借り受けた)をはじめ、南極大陸のロケーション(撮影は木村大作)など、がっしりした骨格を持つ作品のスケール感が、やはり圧倒的なのである。