深作欣二監督作「復活の日」40年ぶりリバイバル上映の意義
■「私のプロデューサー人生でもっとも思い入れがある作品」
当時、日活に在籍したまま製作にかかわった岡田裕プロデューサーは、「製作費は約21億円だった」と言う。「その額でもよくぞ作ったと思うくらい、スケールは大きい。2年間、作品にかかりきりになり、他の仕事は全くできなかった。チリから潜水艦を借り受けるときの苦労たるや想像を絶した。通訳も優秀な人が多く、監督専任はじめ10名ほどいた。私のプロデューサー人生でもっとも思い入れがある作品だ」と話す。
同時代の中身そのものに即した映画評価も大切だが、時を経たからこそ、新たな魅力、意義深い要素、未来に向けた重要な視点が見えてくる作品もある。「復活の日」は、その1本だと思う。今の日本映画界に何が失われているのか。「復活の日」を見るとそれがよく分かる。壮大にして未来へ突き抜けようとしたかのような映画の先駆性を、今一度、映画館で味わってみたら、いかがなものか。