「ランボー」新作不運…ジブリ旧作トップ3独占のからくり
「ランボー~」は、コロナ禍ただ中の映画興行では、洋画新作として広範囲な宣伝展開が行われた勝負作の1本だ。宣伝費も相当な額にのぼる。シリーズには多くのファンがいる。その層へ作品の存在をしっかり届けるためにも、初動のランキングを詳細に分析して、もっと「ランボー」新作の踏ん張りをメディアが取り上げてもよかったのではないか。筆者などは、そう思ったのである。
今回のジブリ作品は、入場料金が1100円均一(高校生以下は1000円)であることにも触れておく。過去作だから当然の設定ではあるが、この料金が動員を伸ばしたのは疑いの余地がない。一方「ランボー~」は、新作だから一般料金1900円だ(各種割引あり)。価格差が歴然とあった。この価格差で、両者を動員比較するのは少し酷ではなかったか。ジブリ作品の登場が、「ランボー~」の興行に、直接的な影響を与えたかどうかの判断は難しい。ただ、ランキングにおけるメディアの反応によって、「ランボー~」の存在が小さくなったのは事実だろう。公開後の情報発信は確実に鈍った。
映画界では慣習として、年間の作品別興行ランキングは興収計算を原則としている。だから、毎週のランキングも、興収計算だと思っている人が多いのではないか。改めて言うが、そうではないのだ。今回のように入場料金が作品間でまるで違うと、ランキングの意味も少し曖昧になってしまう気がしてならない。