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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

赤塚不二夫編<1>タモリの弔辞は生前本人に披露されていた

公開日: 更新日:

 知人に手招きされ空いていた席に座った。前にいたのがタレントの小野ヤスシさん(故人)だった。すでに“舌好調”。赤塚氏とのバカ遊びの体験談の独演会中だった。抱腹絶倒の話を再現する。

 免許は持っていても運転に興味のない赤塚さんが周囲に乗せられて当時はまだ珍しかったベンツを買った時のこと。以下、小野さんの語り。

「(当時)アシスタントの北見(けんいち=『釣りバカ日誌』の作者)を新宿西口公園のホームレスの中に一晩だけ入れて、翌日、僕(小野)が運転手としてベンツで迎えに行く。北見はひげを生やし汚いから、ホームレスも違和感なく、すっかりなじんでいた。“お坊ちゃま、なにをしているのですか。お父さまとお母さまが心配しています”と僕が連れ帰ろうとすると、“ヤダ”と困らせる北見。最後は無理やり乗せる。ホームレスの人たちは呆然と見て驚く。それを赤塚さんたちは近くで見て笑っている」

 小野さんのテーブルからはひときわ大きな笑い声が起きた。喪服でなければ温泉旅館の宴会。帰り際、先生と親交が深いとおぼしき年長の出席者が「みんな楽しく飲んでいた。先生も上から“バカなことやっているな”と喜んでいると思う」と話していた言葉が参列者の気持ちを代弁していた。

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