劇場内からすすり泣く声…アニメ映画「鬼滅の刃」鑑賞ルポ
上映前のスクリーンに「ソーシャルディスタンスを守りましょう」と表示された際には思わず苦笑いしたが、長い予告編の後に始まった本編では、写真や動画を思わせるような美しい作画に目を引かれた。ストーリーはハラハラドキドキの展開で、子供たちはその度に泣いたり、笑ったり。家族愛や道徳を訴えかける場面もあり、ここら辺が多くの人の感情をくすぐるのかも知れない。
さて、記者が見た感想をざっくり言うと、やはり、アニメやコミックで作品を「事前学習」しておいた方がいい、ということだろう。実際、劇場内で「柱って何?」と隣席の子供に聞いていた父親が途中からウトウトする姿も見られたが、「鬼滅」の初見が映画だと、おそらく物語はすんなり入ってこない。主人公の少年剣士、竈門炭治郎が人食い鬼と戦うことが分かっているだけでは、敵や味方に関係なく、それぞれの複雑な関係性が理解しにくいと思われるからだ。
昔のアニメ映画「あしたのジョー」のようにはいかない。