著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「おちょやん」が面白くなってきた!杉咲花の大阪弁が快調

公開日: 更新日:

脇役陣の豪華さ

 私が子供の頃の松竹新喜劇は2代目渋谷天外と藤山寛美が二枚看板でやっていたが、あれが浪花千栄子の元旦那と知ったのはかなり後のこと。ほかでは鶴亀株式会社の社員・熊田を演じているのは西川きよしの息子の西川忠志、鶴亀の社長・大山鶴蔵役の中村鴈治郎は昨年亡くなった4代目坂田藤十郎の息子。父は艶福家で知られ、京都の舞妓とホテルで密会、下半身のご開帳をフライデーされたのは芸能史に残る珍事だった。母は運輸大臣、建設大臣、初代国土交通大臣などを歴任。2004~07年に女性初の参議院議長を務めた政治家の扇千景(本名・林寛子)で女優から政治家に転身した先駆者といえる。そもそも宝塚歌劇団の娘役だった。

 宝塚出身の女優も多数登場する。千代が初めて役者の世界に飛び込んだ山村千鳥一座の座員・薮内清子役の映美くらら、鶴亀撮影所の髪結い・柳たつ子役の湖条千秋、鶴亀家庭劇に参加する新派女優の高峰ルリ子役の明日海りお。明日海は元花組トップスターでトップ在任期間は5年半と歴代3番目の記録。スターだった明日海が映ると画面が華やぐと話題になっている。

 千代の初恋の相手の助監督・小暮役の若葉竜也は大衆演劇のチビ玉三兄弟の一人、初代天海天海時代からの座員で女形として務めてきた漆原要二郎役の大川良太郎は大衆演劇の劇団九州男の座長とさまざまなジャンルの役者が競演している。

 脇を固める俳優が魅力的なほどドラマは面白くなる。小さくて吹けば飛びそうな杉咲花が、いかにして「浪花のおかあちゃん」になるか、温かい目で見守りたい。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  4. 4

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  5. 5

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  1. 6

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  2. 7

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  3. 8

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  4. 9

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  5. 10

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が