「もっと広めなあかん」浪曲消滅への危機感から定期公演を

公開日: 更新日:

 この欄に浪曲師が登場するのは初めてである。2代目京山幸枝若は関西の浪曲師団体、浪曲親友協会会長で、「声」「節」「タンカ(語り)」の三拍子そろった名人だ。近年は東京でも独演会を開き、昨年、文化庁芸術祭に参加、見事、大衆芸能部門の大賞を受賞した。そこで、実父であり師匠でもある初代幸枝若のことも含めて大いに語ってもらった。まずは今回の受賞について伺おう。

「5年前から東京で、年2回の独演会をやってまして、『会津の小鉄』という侠客ものの連続読みと、もう1席はお楽しみで、いろいろやらせてもろうとります。受賞した公演では初代の十八番、左甚五郎ものの『千人坊主』をやりました。甚五郎の中では最も節が長くて、しんどいネタなんです」

 東京では、弟子の京山幸太、女流の春野恵子と「浪曲ざんまい」なる定期公演も催している。

「このままやと、浪曲がなくなってしまう。もっと広めなあかん」いう危機感から、大阪で始めた会なんです。毎月第4火曜に、桂ざこば師匠がつくった西成区の動楽亭で開いてます。上がりは全部プールしておいて、それを資金に、お江戸上野広小路亭で定期公演を続けてます。こちらは常に赤字ですから」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末