著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

今こそ何の宣言より「五輪中止宣言」を出すのが先だ

公開日: 更新日:

 封鎖するのにまた法律が要る? 金も要る? 寝言を言ってる場合か。あんたらが決めることはただ一つだ。もう何の期待もされてない東京五輪はさらに無駄金を食うし、復興の足しにもならないし、コロナ退治の邪魔になってるんだから始末してしまうことだ。今こそ何の宣言より「五輪中止宣言」を出すのが先だ。そうすれば、準備をさせられて頭痛と胃痛が治らない役所の人間たちの身も心も軽くなるだろうし、GWの連休もゆっくり休めるはず。いや、世界中が五輪の呪縛から逃れて、せいせいするんじゃないのか。

 ところで今、アメリカの感染者は3200万人近くもいて、死者は56万人以上だ。せんだって、日本の若い学者が皮肉な警告を発していた。人々が討議を重ねた「輿論」ではなく、凡人大衆がつくってしまう感情的「世論」に流されるような民主主義はもうズッコケる運命かもしれないと。

 アメリカは自由と民主主義の国だが、ウイルスにも自由に飛び移られ、横暴な国民はマスクもせず、感染を抑えられなかった。逆に、共産党独裁の中国はコロナの出元なのに、早々と封じ込めが効いたようで、アメリカより先に日常が戻っている。民主主義は致命的な失策を引き起こし、多くの人が死に、経済もガタガタに……。民主主義こそ奇怪で呪われた制度だとか。皮肉な話だ。

 独裁専制政治は、はなからお断りだが、ともかく、五輪は中止して、いい加減にコロナ退治に専念しやがれっていうんだ。

映画「無頼」絶賛公開中! 詳細はHPで

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ