今いくよくるよは大物俳優のオファーより観客を大事にした
打ち合わせで楽屋に伺った時に「ちょっとセンセ(先生)聞いてくれます?」と興奮気味に「どやさ! なんとかならんかったんかいな!?」「健さんとCMなんか二度とないですよ、それも直々に言うてくれてはったんですて……」「“体調不良のため代演”でもいけたんちゃうと思いません?」「それやったら教えんといてほしかったわ!」と笑顔で“ぼやき”ながらも最後は「待ってくれてはるお客さんが一番大事やさかい、しゃあないわな、ありがたいことやわ……。けどもったいないわ! 渡さんと健さんやて……ハハハッ!」と豪快に笑って残念がっていらっしゃいました。
子供からお年寄りまで絶大な人気だった秘訣を見た思いでした。
なかなか売れず長い下積み生活が続き「きょう、うけへんかったらやめよ」と悲壮な決意で「花王名人劇場」(関西テレビ)の舞台に立ち、くるよさんがそのふくよかなお腹を“パンッ! パンッ!”と叩いたことで大爆笑を取り、一気にスターへの階段を駆け上がられたいくよくるよさん。この大爆笑を取った時のことを「ありがたかったな……あの時のことは一生忘れへんわ」と涙ながらに話してくださったことも、思い出しました。
時代は変わっても「目の前のお客さんに喜んでいただくこと」が芸人さんの本分だなぁと、あらためて感じました。