著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」妻夫木聡の感情を抑えた演技が光った

公開日: 更新日:

 13日の夜、終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」(NHK)が放送された。

 戦争末期に九州帝国大学(現・九州大学)で行われた、米軍捕虜に対する「生体解剖」が題材となっている。遠藤周作の小説「海と毒薬」や、熊井啓監督の同名映画などで知られる事件だ。

 鳥居太一(妻夫木聡)は西部帝国大学医学部の助教授。石田教授(鶴見辰吾)の指示で捕虜の手術を手伝うが、それは軍と共同で「内臓を摘出された人間は、どこまで生きられるのか」を探る人体実験だった。敗戦後、石田は自殺し、太一は“首謀者”と見なされ死刑判決を受ける。

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