アフガン選手らはパラ出場を断念…“自由”というのがいかに大事か今、誰もが思い知っただろう
振り返ると、そういう世の中のうさんくささが60年代後半にはピークを迎えていた。ものを大量に作って売り買いし、貧富の格差も地方の格差も生んでしまった「高度経済成長」ってやつがその正体だ。都会じゃ一夜城的な虚栄とアメリカ文化のマネゴトがはびこり、ストレス人間が増え、社会がひずみ始めていた。何でも「いいね」とすぐにだまされてしまう現代とよく似ている。
緊急事態で暇なので、その時代に見られなかった大人向けの邦画を見直していた。今村昌平監督作品はやっぱり凄い。「にっぽん昆虫記」(63年)は東北の農村に生まれ、戦中から戦後にかけて東京で売春婦からコールガールの元締になる女とその母と娘3代のたくましい人生を描く成人映画だ。左幸子が熱演。野坂昭如原作「『エロ事師たち』より 人類学入門」(66年)の小沢昭一も狂っていていい。“自由”を生きる人間どもに異議なし!