著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<105>事件について話し合っていると弁護士が突然、「アプリコ閉鎖」を従業員に告げた

公開日: 更新日:

「あら、早貴ちゃん。もし10年行って戻ってきてもアラサーじゃない。いいわね~、行ってらっしゃいよ」

「大下さん、いい加減にしてくださいよ」

 そう言いながらも早貴被告はニコニコと機嫌がいい。

「オレの推理だけど、黒幕のマコやんに命じられて、泣く泣く早貴ちゃんと大下さんは覚醒剤を飲ませたってのはアリかな?」

「そりゃあ、ナイスな推理やの。ヨッシーがその上にいて、3人をコントロールしていたってのもアリだ」

「そうするとオレが計画して、マコやんが現場監督、そして早貴ちゃんと大下さんが実行犯ということでいいかな。で、報酬はどうなってんの?」

「それは4人で分けるってことやろな」

「私には多めにちょうだいよ。ババアなんだから」

 ケラケラと大下さんが笑った。

 このような会話が家の中で続いていたのである。

 しかし、早貴被告が実行犯だとしても、どこから覚醒剤を入手したのかが分からなければ逮捕はできない。これが私とマコやんの共通の認識であった。ところが、事件の解決前にアプリコに手を突っ込む人たちが出てきたのである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド