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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<20>「紅白」と「レコ大」を制するということは「日本の歌謡界を制すること」だった

公開日: 更新日:

 師走近くになると筆者の脳裏には、少年時代に見た大晦日の「日本レコード大賞」と「紅白歌合戦」の“瞬間移動”の情景が思い出される。「日本レコード大賞」が午後8時50分に終わると、受賞歌手は感激に浸る余裕もなくダッシュで車に移動し、車は猛スピードで走り出す。午後9時から始まる「紅白歌合戦」に出演するためだ。

「日本レコード大賞」の会場である日比谷の帝国劇場から渋谷のNHKホールまで、もちろん、その日の交通事情にもよるが、単純計算で15分は見ておきたい。しかしそれでは「紅白歌合戦」のオープニングには確実に間に合わない。NHKとしてもレコ大歌手には紅白のオープニングにはぜひいてもらいたい。だからといって、レコ大のエンディングを受賞歌手がすっ飛ばすわけにはいかない。では、どうするか。

「あれは凄いんですよ。全部の信号が青になるというのは噂ではありません。本当です。ある時期は警視庁のバイクが先導したこともありました。100キロくらい出してたんじゃないかな。もちろんおとがめなんかありませんよ。警察も容認です。なんといっても“国家行事”ですから。それで、なんとか9時ちょうどくらいにNHKホールに到着するんです。ギリギリセーフですね」(昭和の時代にレコード会社の営業部に属していた人物)

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