著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<30>「賞レースで必要なのは金であって、接待」レコード会社元重役が証言

公開日: 更新日:

 この時代、TBS「輝く! 日本レコード大賞」のプロデューサーだった砂田実は、第1回放送から番組に携わってきた、いわば「レコ大生みの親」の一人である。その後、TBSを退社し渡辺プロダクションに常務取締役として迎えられ、さらにその後はテレビの制作会社を設立、「テレビ探偵団」(TBS)などの人気番組を手掛けた。

 ナベプロとは長きにわたって近しい関係にあった砂田だが、1973年のこの頃は野口修とも親しく、プライベートで一緒になることも多かった。「立場上、どちらかに肩入れすることはなかった」と言うが、「でも野口さん、少しやりすぎたかな」と苦笑まじりに話した。

 というのもこの年、野口修は「レコ大審査委員の大ボス」と呼ばれた音楽評論家の平井賢を抱き込み、票の取りまとめを依頼していた。「姫」のナンバーワンホステス、大門節江の後見人でもあった平井は、音楽業界の黒幕的な存在で隠然たる力を持っていたのだ。番組プロデューサーの砂田実がこの翌年、平井を投票権を持たない運営委員に棚上げすることで影響力をそいだのは、この年の野口修との癒着がきっかけだったという。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ