<152>早貴被告は野崎さんの死も無感情で傍観者のように振る舞った
尾崎太郎県議は早貴被告を評する時に「無感情」という言葉をよく使った。彼女の大きな黒目は感情を表す動きが感じられず、私も、今まで出会ったことのない生き物だという気がしていた。
「キミが社長に毒を盛ったんじゃないか?」
野崎幸助さんの遺体が警察から帰ってくる前に、マコやんと木下さん、早貴被告の4人で2日間にわたりリビングで事件について話し合ったことは前述したが、彼女は「やっていませんから」とか「やるわけないでしょ」と答えるだけだった。何度も私が問いかけてもムキになって否定することも、むろん肯定することもなく、ただ、ほほ笑みを浮かべるだけで傍観者のような態度だったのが今でも強烈な印象になっている。
■平気でウソをつき、それが本当だと自分に信じ込ませる
それは決して新人類といった類いのものではなく、場当たり的にウソをつくことに罪悪感を持たず、そのウソが本当であると自分自身に信じ込ませる人種であると、私は彼女のことを分析していた。