マキタスポーツさんがつい「歌怪獣」と…島津亜矢さんと念願のレコーディングを振り返る

公開日: 更新日:

マキタスポーツさん(52歳/ミュージシャン・俳優)

 ミュージシャン、俳優、タレントとしてマルチに活躍するマキタスポーツさん(52)。とっておきの写真は歌手・島津亜矢さんとの一枚。7年前に紅白歌合戦の曲を聴いて、あまりの歌のうまさにビックリし、自身のラジオ番組で「歌怪獣」とニックネームをつけて大きな話題になり、以来、親交を続けている。写真は昨年、レコーディングした際のツーショットだ。

 ◇  ◇  ◇

 初めて聴いた亜矢さんの歌は2015年の紅白歌合戦で歌った「帰らんちゃよか」です。

 例年、僕は年越しイベントとか年越しの番組があって大晦日は家にいないことが多いのですが、その年はたまたま家にいて家族、親戚が集まって紅白を見ながらドンチャン騒ぎをしていました。あの紅白には高橋真梨子さんも出演していて、「五番街のマリーへ」では♪マリー~という娘と~って家族みんなで歌っていましたね。僕は小皿を叩き、義理のお母さんなんかガチャガチャ洗い物しながら(笑い)。

 そんなドンチャンの中で亜矢さんが「帰らんちゃよか」を歌い始めた時だけ、家中がシーンとしちゃった。僕もテレビを食い入るように見ました。なんだこの人は、と。歌がうまい人、つまり「歌怪獣」はいっぱい出ていたけど、宴会を静まり返らせるほどのうまさ、それもテレビを通してですからね。

 妻が「歌上手だね」と言うので、「だろ! 俺も思った、俺、見~つけた」。あの歌を聴いた時は本当にビックリしましたね。細かい息遣い、歌っていないところでもバイブレーションが聴こえてくる感じ。歌い尻もきれいで伸びる。それからマイクですね。亜矢さんは胸の位置から動かさないで、強弱をつける。すごいなあと思いました。

 それからは「あの歌唱力に驚いた」と口外しまくって、僕がTBSラジオでやっている「東京ポッド許可局」の中で「歌怪獣現る!」と言ってしまった。長くキャリアを積んできた方に「歌怪獣」なんてニックネームをつけるのは失礼なので、ためらわれたけど、興に乗って。さすがにご本人に届くとまずいな、わからなきゃいいなとビクビクしていたけど、それがご本人の耳に入り、あろうことかすごく喜んでくださっているとわかり、ナント、歌怪獣のグッズまで作ったって(笑い)。

 そのご縁で、16年に僕のイベント「LIVE@マキタスポーツ」にゲスト出演していただきました。それから19年にはNHK「うたコン」で亜矢さんと共演させていただき、新宿LOFTでやったイベント「マキタスポーツのオトネタ大賞」にも出てくれて「歌うまい部門」最優秀賞を贈らせていただきました。

僕の声量が20ワットなら亜矢さんは100ワット

 さらにその年の12月には亜矢さんが中野サンプラザでやった「歌怪獣襲来ツアー」ファイナルにシークレットゲストで呼んでいただきました。この時はドキドキものでしたね。アンコールの時です。亜矢さんのマネジャーでもあるお母さんがナント「アンコールでどうですか」とおっしゃるんですよ。僕は亜矢さんが先に出ていて紹介されてからと思ったら、緞帳が下りて次に開いたらそこに僕がひとりぼっちで立っている……。もちろんそんなずうずうしいことできない、やめましょうよと言ったけど、聞いてもらえない。

 僕の心境にもなってくださいよ(笑い)。いくらご縁といってもね。もう仕方がなく。それで緞帳が開いたら、事務所をやめたあとだったので会場から「マキタスポーツ、頑張れ。それで事務所どうした?」なんて声が飛んで、「気安く言うな、うっかりしたこと言えないだろ!」って言ったら受けて(笑い)、温かい雰囲気になって。ワンコーラス歌ったら亜矢さんが登場して拍手大喝采ですよ。ああいう雰囲気の中で聴く亜矢さんの声量は僕が20ワットなら亜矢さんは100ワットという感じ。お客さんも大満足の様子でした。

 この写真は昨年12月のものです。亜矢さんとコラボ企画でデュエット曲「歌うまい歌」と「歌うまい歌 歌怪獣Ver.」をリリースしました。そのレコーディングの時に撮りました。

 亜矢さんのレコーディングは一発勝負という感じですね。あまり練習はしないタイプでお稽古場は車の中だそうです。レコーディングも歌うことの鮮度を大切にしていて車の中で声を温めて、本番でメロディーの起伏をたどりながらゴールにたどりつく。そんな感じだと思います。

 来月、単独ライブ「オトネタ5」を草月ホールでやります。チケット発売中です(笑い)。20年に予定していたのが中止になり、3年ぶりになります。

 僕は既成曲のパロディーや風刺、アイロニカルなものが持ち味。コロナで神経を使う世の中ですが、エンターテインメントを見て発散したい人も大勢いる。僕の年代は、早い人では早期退職で第二の人生を考えたりする世代ですが、そういう人たちが頑張ろうという気になるライブをやりたい。

 亜矢さんにもぜひ見に来てほしいですね。出演してくれたらもっといいですけど(笑い)。

(取材・文=峯田淳/日刊ゲンダイ)

▽マキタスポーツ 1970年1月、山梨県出身。俳優としてドラマ映画で活躍する一方で、ミュージシャンとして音楽と笑いを融合させた「オトネタ」のライブ活動を続けている。ライブ「オトネタ5」(3月18.19日、3公演、赤坂・草月ホール、前売り全席指定6600円=税込み)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末