著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

今、この戦争狂とジェノサイドを止める者がいたら英雄だ

公開日: 更新日:

 旧ソ連軍もベルリンを陥落させた時に多くのドイツ人を殺害、強姦、略奪をした。長崎に原爆が落ちた日に日本軍がいた満州国に侵攻した時も日本人居留民に同じことをした。午後のテレビ番組でコメント屋が虐殺場面に「ここまでできるのかとはなかなか思えないですが」とマヌケな言い方をしたので余計に疲れた。

 国際刑事裁判所でジェノサイドは裁かれるというが、プーチンを「戦争犯罪人」ですぐに逮捕できるわけはない。国外に姿をくらまそうとヤツも命懸けだから容易には捕まらないだろう。日本の国際政治学者も今まで研究してきたことが戦争を止めるのには役に立たないのか「この解はないです」と匙を投げていた。外務官僚上がりの政治研究所のコメント屋は「ここまでウクライナは自衛戦をしてるのだから、この機会にわが国も敵基地攻撃力も併せて防衛力をもっと高めることを考える時です」とつまらない話に変えていた。武力や抑止力をいくら高めようが、クソバカが攻めたい時は攻めてくる。それがこの戦争だろと思った。

 戦争を止める方策はないのか。バカ者が急死するのを待つのか。すると、「スパイ大作戦」のテーマ曲の幻聴が聞こえた。「よって、君の任務は、誰にも気づかれずにこの戦争狂を捕まえることにある。なお、このテープは自動的に消滅する」と声優の大平透さんの指令の声も聞こえるようだった。今、この戦争狂とジェノサイドを止める者がいたら、英雄だ。ロシアに政治家や学者がいても誰もヒーローになろうとする者はいないのか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方