栗山千明「晩酌の流儀」は金曜深夜の“飯テロ”ならぬ“酒テロ”ドラマ
リモート勤務が多くなったとはいえ、1週間の区切りとなる週末の解放感は今も変わらない。その金曜深夜に、新たなグルメドラマが登場した。ドラマ25「晩酌の流儀」(テレビ東京系)である。テーマは「家飲み」を極めることだ。
主人公は不動産会社に勤務する伊澤美幸(栗山千明)。一日の終わりに、おいしく酒を飲むことを至上の喜びとしている。しかも、そのためには努力を惜しまない。定時退社したいので集中して仕事をする。次が最高の状態で酒と向き合うための準備だ。1日の初回はサウナだった。
さらにスーパーで安くてうまい食材を買う。モットーは「家飲みで一番大事なのは、最小のコストで最大のパフォーマンスを出すこと」。帰宅後の手早い料理で、しめさばカルパッチョや麻辣にら玉などが食卓に並ぶ。
最大の見せ場が、待望の1杯目だ。まるで恋人を見るような目で、ビールがつがれたグラスを見つめ、やがて静かに、しかし情熱的に黄金色の液体を喉に流し込む。
そして2杯目。美幸は「これが私の流儀だ!」と宣言し、別のグラスを冷蔵庫から取り出す。適度に冷えた状態のグラスで飲み続けたいからだ。
番組冒頭、美幸が「ドラマを見終わった後、あなたもきっと、お酒を飲み始める」と言っていたが、まさにその通り。飯テロならぬ、完璧な酒テロドラマである。