八代亜紀さんは「人の機微」がわかる方 人の成功や幸せを心から喜んでいるような方でした
八代亜紀さんの巻
昨年末、お亡くなりになっていた「演歌の女王」八代亜紀さん(享年73)。私は2度しかお会いしたことがありませんが、あの慈しむような瞳の笑顔に魅入られた一人です。
初めてお会いしたのは、40年近く前、まだ仕事を始めて間もない頃でした。
NGK(なんばグランド花月)が開館した当初に、今いくよ・くるよさんと台本の打ち合わせをしていたある日、「せんせ(私のこと)、この後、3時間ほど時間あります?」と聞かれ「大丈夫です」とお答えすると「そしたらええとこ行きましょ。行っとかはったら勉強にもなるし」とお2人と共にタクシーへ。
運転手さんに告げられた場所が大きな劇場だったので、「芝居を見るんや」と勝手に想像していたのですが、劇場に近づくと「八代亜紀リサイタル」という大きな看板やのぼりが目に飛び込んできました。
「せんせ、好きや言うてはったでしょ?」「大好きです! マジですか!?」「マジマジ! 行きましょ行きましょ!」
用意されていた最後列の目立たない席で八代さんの歌を堪能し終えると、そのまま楽屋へ。