追悼・桂ざこばさん GⅠで「3-5-8(ザコバ)」馬券を1万円買い続け、ついに高額配当のはずが…
またこんな話も。テレビの楽屋へ伺うと、高熱でもありそうなほどうつろな目でグタ~ッとされていたので心配して声をかけたのですが、そこへ一門の(桂)南光さんがやってきて、笑いながら「体は大丈夫です。精神的に落ち込んではりますねん」と言われました。実は、何年もの間、競馬のGIレースに「3-5-8(ザコバ)」馬券を1万円で買い続けていて、ついに高額配当が出たのです。皆、馬券のことを知っているので、電話やメールが山のように届いたのですが、なんと!
「買うてへんねん。実は……」
落語の地方公演が続き、今回に限ってお弟子さんが買い忘れていた。もし万馬券なら100万円……。本番が始まっても「もう言わんといて~や~!」と涙ぐむざこばさんに出演者一同大爆笑!
お弟子さんはきっと怒られた後に「かめへんかめへん。気にしいな」と気遣われたことだと思います。
上方落語の普及と若手噺家の育成に尽力された桂ざこばさん。天国では敬愛してやまない大好きな米朝師匠に「あの世に来たんやさかい、ちょっとは落ち着いたらどうやねん」と苦笑されながら落語談議に花を咲かせておられることでしょう。