テレビ局の報道記者やニュースのスタッフは、自局のワイドショーや情報番組を見てどんな気持ちになっているのでしょうか?
しかし逆に、じつはニュースの側にもワイドショーに劣等感があるんです。ワイドショーのスタッフたちは、短時間かつ少人数で長いVTRを取材・編集しなければなりませんから、「テレビマンとしての実力」としてはニュースの人間よりレベルが高い場合が多いんです。
分かりやすく例えると、同じ10分のVTRを作るとしたら、ニュースは短時間で作らなければならないので、2分ずつ5パートに分割して、5人でそれを編集してドッキングする感じです。しかし、ワイドショーはひとりで一晩かけて全部編集します。取材も同じで、ニュースは多人数で手分けしますが、ワイドショーはひとりで全部やる。
だから、テレビマンとしての「戦闘力」は圧倒的にワイドショーのディレクターのほうが高い場合が多いので、ニュースの人からするとワイドショーを見る時には「複雑な気持ち」になるわけです。「下に見ている部分と、上に見ている部分がある」という感じでしょうか。
「ワイドショーはテレビマンの学校だ」という言いかたをよくされます。ワイドショーで基本を学んで、ドラマやバラエティーで活躍する人も多いんです。それに比べると、ニュース出身で別ジャンルで活躍する人は少なめです。局内イメージ的にはニュースは「エリートで嫌われ者」という感じで、ワイドショーは「誰もやりたがらない汚れ仕事」という感じで見られがちです。