町亞聖さん「アナウンサーとして医療や介護に関する番組を続けたい」
声優にもチャレンジ!結婚もしたいな
そのような立場の子は周りに相談できないんですよね。学校は唯一、自分らしくいられる場所でもありますから。私はすごく仲のいい友だちにだけ「昨日、おとうさんがまた暴れて部屋がめちゃくちゃだよ」と冗談ぽく話してすぐ話題を変えていましたが、ほとんどの子は打ち明けられないという調査結果もあります。
私を呼んでくれた高校の先生も「ヤングケアラーは生徒の中にいると思うんです」と言っていて、誰がヤングケアラーか把握できていないという状況です。だから、支援したくてもできないということになります。
私の授業をきっかけに、「助けて」の声を上げやすくなればと思っています。自分だけで抱えないことが大事。どうしても「うちは大丈夫です」と自己責任で頑張りすぎちゃいますからね。
毎回感想を書いてもらうのですが、「私の家も町さんのように経済的に苦しいので、進学を諦めようと考えていたけど、自分の意思を変えなくていいんだと思えました」という感想を読んだ時に、「私の苦労はこの瞬間のためにあったのかな」と思えました。今後も続けていきたい活動です。
ほかにやりたいことはナレーション。私は女性アナにしては珍しく低い声で「町の声は変わってる」と入社時から言われていましたが、この声の低さを生かしたいです。見た目は年をとっても声は今よりレベルアップして、いつか洋画の吹き替えにもチャレンジしたい。
ついでですが、死ぬまでに結婚もしたいかな(笑)。
(聞き手=松野大介)
▽町亞聖(まち・あせい) 1971年8月、埼玉県出身。95年に日本テレビに入社。報道局を経て2011年に退社。著書「受援力」(法研)絶賛発売中。