「MAGA教皇」の誕生を熱望? フランシスコ教皇の死で米国では保守カトリックが台頭
フランシスコ教皇が亡くなった。LGBTQや移民を擁護する立場を明らかにし、カトリックとしては非常に革新的だった教皇の死は、世界の宗教界のみならず政治にも激震をもたらしている。彼の不在により、カトリック保守勢力が突如台頭しているからだ。同時にアメリカのカトリック保守と、極右政治との強い結びつきも可視化されつつある。
カトリック信者はアメリカ人のおよそ2割。ヨーロッパなど他の西欧諸国に比べ、保守派のパワーが強いのが特色だ。数としてはそうでもないが、政治と結びつき、クリスチャン・メディアが台頭する中で存在感を増している。その最大の功績は、プロテスタント福音派と共に、保守共和党が打ち出す中絶禁止(アメリカ12州で違法化)を実現したことだろう。性別は女と男だけ、気候変動は嘘などのトランプ政権の方針とも親和性が高い。その流れで、現政権の支持母体である極右のMAGA(Make America Great Again)派にもカトリックが多い。中でもよく知られているのはJ・D・バンス副大統領で、彼は教皇の死の直前のイースターに、最後に面談した各国首脳の一人となった。