三田寛子さん、加納典明さんがオススメする「みんなが喜ぶ私の手土産」
家族や友人と久しぶりに会うとき、手土産を用意しておくと、話がより弾む。その再会をイメージしながら、どれにしようか迷う時間もまた楽しい。
では、気配りにたけた人は、どんなものを贈っているのか。女優の三田寛子さんと写真家の加納典明さんに3つずつ挙げてもらった。
2人のヒントを参考に手土産持参で出かけよう。
三田寛子さん
あん生八ツ橋(250円)
■本家 西尾八ツ橋本店(京都・聖護院西町)
京都出身ですから八ツ橋は昔からなじみがある味で、聖護院さんや井筒さん、東山さんなどいろいろな種類を小さいときからいただいてきました。どこも老舗で伝統を守りつつもいろいろと工夫されていて、味のバリエーションがとても豊富で、仕事やプライベートで京都に出かけたときにお店に立ち寄ると、旬の味が楽しめたりします。
幼いときから身近にある八ツ橋の中で、私のお気に入りが西尾さんのあん生八ツ橋です。こちらは生でふんわりと優しい食感で、八ツ橋の定番にっきはもちろん、こしあんと粒あんの2つの味が楽しめます。先日、うかがったときは、季節を感じさせるさくらやいちごの味もありました(取材は3月下旬)。
1袋5個入りで250円。女子会などに合わせていくつか買って持参すると、それぞれの好みや味の違いで話が盛り上がるんです。
(住)京都府京都市左京区聖護院西町7
(℡)075-761-0131
(営)9時~17時30分
大野屋(高岡ラムネ詰合せ4個入=2592円)
■大野屋(富山・高岡)
ずいぶん前にお仕事で金沢でお菓子の催し物に参加させていただいたことがあって、金沢や富山など北陸にもおいしいお菓子屋さんがあることを知りました。それ以来、京都に出かけて直帰しなくて済むときは、北陸を訪ねて散策するのが楽しみなんです。
富山にある和菓子の大野屋さん。江戸時代末期に創業した老舗で、そこで培われた技術を応用して、職人さんがラムネを作っているんです。知人に教えてもらってうかがうと、ラムネ一つ一つに丁寧な形が施されていて、とてもかわいい。
口に入れるのがもったいないくらいですが、食べるとふんわりと柔らかくて、いちごやりんごなど使用された食材の香りが優しく広がります。素朴な味が大好きです。
ラムネは皆さんなじみのあるお菓子ですが、大野屋さんのラムネは老舗ならではの技術が詰まっていて、いかにも和風な感じがするので、海外の方や海外に転勤された方などにプレゼントするととても喜ばれます。
(住)富山県高岡市木舟町12番地
(℡)0766-25-0215
(営)8時30分~19時
定休日 水曜(祝日は営業)
盲導犬アート缶フラワーガーデン(2808円)
■IZUMIYA麹町本店(東京・麹町)
実家ではトイプードルを飼っていて、子供が小さいころ一緒に帰省すると、特に次男の福之助がとてもかわいがっていました。それで福之助が犬を欲しがっていたこともあり、20歳の成人祝いとしてトイプードルをプレゼントしたので、いまも犬を飼っています。
そんなわけで友人にも犬好きや猫好きが多く、犬好きの方にお会いするときに用意するのが泉屋さんのクッキーです。パッケージの缶に盲導犬がデザインされたアート缶に入った詰め合わせがあって、それを贈ると、クッキーを食べながら、それぞれのわんこ自慢に花が咲いたりします。猫好きの方のために、ねこ缶もあるんですよ。
実は主人(中村芝翫)も泉屋さんのクッキーが好きで、子供のころはおやつに食べていたといいます。ですから、お客さまから頂くこともあれば、差し上げることもあります。家族のために作る母親のような家庭的な味がうれしいですね。
(住)東京都千代田区麹町3-1
(℡)03-3239-7776
(営)9~18時
定休日 土曜・日曜・祝日
◇ ◇ ◇
▽三田寛子(みた・ひろこ) 1966年生まれ、京都府出身。81年「2年B組仙八先生」でドラマデビュー。翌年、「駈けてきた処女」で歌手デビューも果たす。現在はCMやラジオ、情報番組のコメンテーターなど多方面で活躍する。
加納典明さん
甚六五目たこ焼き(1人前6個=790円)
■甚六(東京・白金)
東京・白金にある「甚六」は、30年以上も通い続けている鉄板焼き店です。1989年に白金台のわずか10坪20席の店からスタートして、移転した今では100席超の立派な店になり、海外にも進出しています。
一代でこの有名店を築き上げたオーナーの應田壽一氏は元モデルでね。実は被写体とカメラマンという関係から始まった付き合いです。
甚六に行くと、必ず頼むのが「甚六五目たこ焼き」。刺し身でもいける新鮮なタコに加えて、小さくサイの目切りにしたピリ辛コンニャクが入っていて食感のアクセントになっています。生地にもこだわっているらしいけど、詳しくは知りません。
外はカリッと香ばしく、中はとろりとした食感に焼き上げた見事な逸品で、ぜひ一度、試して欲しいですね。とにかくうまくて、冷めてもおいしいから手土産にするんですよ。
店のグランドメニューはすべてテイクアウトできます。ほかのメニューとあわせてぜひ。
(住)東京都港区白金6-23-3 WATOREI白金1階
(℡)03-3441-1436
(営)17~24時
定休日 月曜、第1・3火曜
豆大福(1個=220円)
■松島屋(東京・高輪)
どなたに頂いたのかなぁ……。出合いのキッカケは思い出せませんが、とにかくこの豆大福のおいしさに感動してね。以来、私の手土産の定番になっています。
豆大福は店の看板商品で、あんこの上品さと豆の存在感がたまらないんです。よもぎの風味をしっかり感じる草大福も気に入っています。
聞けば、東京三大大福のひとつに数えられるそうで、昭和天皇もお好きだったとか。泉岳寺のそばにあるというお店は、朝9時30分の開店と同時に行列ができるらしい。
「という」とか「らしい」とか伝聞調になるのは、自分で店に行って並んだことがなくてね。写真展をやるギャラリーなどへの手土産で使うときには、事務所のスタッフに朝イチで並んで買ってもらっているんです。
(住)東京都港区高輪1-5-25
(℡)03-3441-0539
(営)9時30分~15時(売り切れ次第で早じまい)
定休日 日曜(月曜2回休みアリ)
ミニキッシュ(6個=2700円)
■Wine&Italian l'ORTO(愛知・錦)
俺は5人きょうだいの次男として名古屋で生まれました。きょうだいはずっと地元に残っていて、上の妹が錦で「はみや」という和食屋をやっていて、妹の店には年に何回か顔を出します。その店があるビルの同じフロアにあるのが、この「ロルト」です。旬の野菜とワインを厳選したイタリアンでとても使い勝手がよくてね。
ここのミニキッシュは3種類あって、タマネギの甘み、キノコのうまみと風味がしっかりと感じられます。ほかの味はレンコンとルッコラで、「シャンパンの為の」とメニューにうたうだけあって、間違いなくワインにも合う。俺のお気に入りです。
クール便で東京にも送ってもらえるから、ホームパーティーなどちょっとした仲間内の集まりに呼ばれると、このミニキッシュを持参することが多い。みんな喜んでくれますよ。
(住)愛知県名古屋市中区錦3-19-30 第三錦ビル2階
(℡)052-990-9528
(営)11時30分~14時、17時30分~23時30分
定休日 日曜、祝日
◇ ◇ ◇
▽加納典明(かのう・てんめい) 1942年生まれ、愛知県出身。写真家として日宣美賞やAPA賞など数多くの賞を受賞する一方、テレビや映画にも出演。写真家の枠にとらわれないパフォーマンスで存在感を示す。