美空ひばりと、越路吹雪と…美川憲一が語る「お酒交遊録」
酒癖でいうと、フランク永井さんかしら。普段は細い目でニコニコしているのに、お酒を飲むと人が変わっちゃうの。すごい乱暴な言葉になってお説教しだすの。私は辛抱強いから、ジッと我慢したけど。
でも、酒癖が悪いのは大嫌いなの。これまで相手を泣かしたことも、土下座させたこともあるしね。ただ、その時は耐え続けて、「明日、仕事があるから」と言って帰ったのね。そしたらフランクさん、翌日、蚊が鳴くような小さな声で「失礼なこと言わなかった? ごめんなさい」と何度も何度も謝って。「酒の上のことですから。でも先輩、ほどほどに」って言ったわよ。
一番高いお酒はラスベガスでいただいたロマネコンティ。七夕じゃないけど、1年に1回ご招待して下さる方がいて。ロスまでベッド、シャワーが付いた自家用ジェットで迎えにきてくれて、ベガスまで45分くらいで着いちゃうのよ。
そこで、一番高級なイタリアンに行って、キャビアがてんこ盛り、新鮮でおいしい海の幸も山のように出るのよ。そして出てきたのが「ロマネコンティ」。それも年代的に一番おいしいといわれているロマネ。1本350万円くらいかしら。その時は8人招待されていて、4本空けました、みんなで。お会計は1500万円でした。