<13>女性とHをするためだけに金持ちになったと公言「ホステスさんは私の財布が目当て」
約束は午後1時だったが、午前11時に連絡が来て「今すぐ来ないなら会わない」と言う。野崎幸助さんの朝令暮改は日常的なことで、言ったことをすぐ変えることも珍しくない“困ったちゃん”であった。
大急ぎでナビに従って自宅に向かうと、純日本風の瓦ぶきの変哲もない2階建ての一軒家に着いた。豪邸でもないし敷地も広くない。塀も半分朽ちかけたような、金持ちとは無縁に感じる自宅だった。
家の前にはトヨタの白いアリオンが止められており、すでにドン・ファンが1人で運転席に座っていた。
「後を付いてきてください」
どこに行くとも言わなかった。片側2車線のバイパスを白浜方向に向かい、到着したのはディズニーランドのシンデレラ城のようなバブリーなホテル「川久」。バブル時代後に倒産したが、その後は札幌の会社が運営していた。
ここにも「アプリコ」は酒を入れていたし、お気に入りのホテルらしく、フロントの従業員たちはドン・ファンを見てペコペコと頭を下げていた。