患者数は20年で10倍 「摂食障害」は死につながる重大病
「冒頭の“だれにも言えない”“自分が嫌になる”は、摂食障害の典型的な特徴。拒食症は劇的にやせるので分かりやすいが、過食症は『吐いている』などと患者が言わないと分かりにくい」
過食症の“外から見える症状”としては、「唾液腺の腫脹」「吐きだこ」「歯科衛生の不良(歯が溶けている。虫歯や歯周病が悪化)」。歯科衛生が不良な原因としては「食生活が不規則」「糖分の過剰摂取」「脱水で口の中が乾燥」などが挙げられる。治療は必要に応じて薬を使うが、カウンセリングは重要。患者のほとんどが若く、家族関係が要因としてあるだけに、家族の治療への協力が不可欠だ。
高木院長は、患者への治療はもちろん、家族を対象にした家族療法を毎月4時間×3回、さらに家族だけでの1泊2日の研修旅行も、行っている。
「治療の最低限の目標は、低カリウム血症、低血糖、衝撃的な事故などで患者が命を落とさないこと。ことあるごとに“回復には年単位の時間がかかる。しかし、必ず治る”と患者と家族に伝えます」