患者数は20年で10倍 「摂食障害」は死につながる重大病

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 頭の中は食べることでいっぱい。明日こそ普通に生活しようとしてもできない。だれにも本当のことが言えなくて苦しい。食べた後は自分が嫌になる――。摂食障害を患う10代女の子の告白だ。

 全国の医療施設を対象にした疫学調査(1998年・厚労省)では、摂食障害の患者数は約2万3000人で、80年からの約20年間で10倍増加した。今も患者数は増え続けているが、専門的な知識を持って治療にあたる医師が少ない。

 摂食障害はほとんどが10~20代で発症する。男女比でみると、女性の割合が圧倒的だ。症状によって「神経性過食症(過食症)」「神経性無食欲症(拒食症)」「過食性障害」の3つに分類される。ただし、「それぞれをいったりきたりしている患者も多い」と話すのは、心療内科、精神科、神経内科の3つの専門医の資格を持つ自由が丘高木クリニック・高木洲一郎院長だ。

「発症のきっかけはダイエットで、背景には社会、文化、家族、個人といった要因が複雑に絡み合っています。いったんやせ始めるとホルモンの分泌、血糖、骨粗鬆症などさまざまな弊害が出て負のサーキットができてしまう」

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