お腹が冷えただけにあらず…冬の「危ない下痢」見極める
冷え込む冬は「下痢」の患者が増えるという。お腹が冷えたんだろう……なんて軽く考えていると、想像以上に重症で命に関わるケースもある。“危ない下痢”をしっかり見極めたい。
日本消化器病学会専門医の江田証氏(江田クリニック院長)によると、冬場は“下痢”に悩む患者が1日20人近くもクリニックにやってくる。最も多いのは、ウイルスによる下痢だという。
「ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスに感染して胃腸炎を起こし、下痢や嘔吐などの症状が表れます。気温が下がり、空気が乾燥すると、ウイルスが活性化し、蔓延しやすくなります。また、日照時間が短くなって、紫外線を浴びることでつくられる体内のビタミンD3が不足気味になり免疫力が衰えることも一因です」
ウイルス性の腸炎では、体外にウイルスを追い出そうとして激しい下痢や嘔吐を起こす。ウイルスには抗生物質が効かないため、ウイルスが排出されるまで対症療法が行われる。あまりにも激しい下痢や嘔吐が続くと脱水症状を起こすので、完全に止めてしまわない程度の下痢止めや吐き気止めの薬が使われる。