お腹が冷えただけにあらず…冬の「危ない下痢」見極める
「ウイルス性の下痢と違って、感染した細菌に対する抗生物質が有効ですが、誤診などによって適切な治療が行われなかったり、放置して重症化すると深刻な状態を招きかねません。腎不全を起こして人工透析を受けなければならなくなったり、毒素が全身に回って多臓器不全を起こし、命に関わるケースもあります」
下痢で内科に行ったら「風邪でしょう」と診断され、処方された薬を飲んでいるのにちっとも改善しない。そのうち、血便が出るほど悪化して腸内がただれてしまった患者も珍しくないという。しっかり見極めたい。
腸が詰まって起こる下痢も要注意だ。大腸がんが大きくなり、徐々に腸管が詰まりかけてくると下痢を起こす。「詰まる」のだから便秘になりそうな気もするが、むしろ逆だという。
「手術を受けた後の癒着などによって腸閉塞を起こした場合も、不完全閉塞だと下痢になります。放置すれば腸管が破裂したり、腸が腐って腹膜炎に悪化する恐れもある。レントゲン検査を受ければ、腸内のガスの形によって詰まっているかどうかがすぐに分かります。60歳以上の年齢で体重減少を伴う下痢や、長引いているうえに痛みやお腹の張りがある下痢の場合は、大腸がんや腸閉塞の可能性があります。医師に相談してください」
下痢を侮ってはいけない。