早期発見で克服も 膵臓がんの最新検査「EUS-FNA」とは
MRIで膵管の異変や嚢胞が確認されたら、次は超音波内視鏡の検査だ。通常の超音波とは違い、胃に挿入し、膵臓に高周波の超音波を当てて解像度の高い画像を撮影する。
「膵臓全部を調べられ、3ミリ前後までの腫瘍をチェックできます」
もし腫瘍が見つかったら、内視鏡を通して針を膵臓に刺し(穿刺)、細胞を取り出す(吸引)。この一連の流れが、冒頭で挙げた「EUS-FNA」になる。
膵臓がんの90%は腺がんと呼ばれるタイプだが、別のタイプもある。抗がん剤の種類や治療方針が同一ではないので、穿刺と吸引で組織診断をしないと患者の予後にかかわる。これは乳がん、胃がん、大腸がんも同様だ。
これらの検査で膵臓がんと確定診断されれば、手術など最も適した治療が行われる。早期であれば、前出の通り、5年生存率も高くなる。
EUS-FNAは2010年に保険適用になり、行っている医療施設が増えているが、押さえておくべきことがある。
「我々が小さな異変を見落とししないようにするには、超音波内視鏡検査のトレーニングを積むことが必要です。もちろんEUS-FNAでも同じことで、トレーニングが不十分であると正しい検査結果を得られるとは限らないのです」