早期発見で克服も 膵臓がんの最新検査「EUS-FNA」とは
【リスク因子が分かってきた】
最近、膵臓がんの高リスク因子が明らかになってきた。「膵臓がんの家族歴」「糖尿病の発症またはコントロール不良」「慢性膵炎」「膵嚢胞」だ。
「特に意識してほしいのは糖尿病です。血管の病気という認識の方が多いですが、糖尿病は膵臓に関連した病気で、新たに発症したり、血糖コントロールが悪ければ膵臓がんの発症を疑うことが重要です」
糖尿病の人は膵臓がんのリスクが2~3倍高いというデータがあるが、実際はもっと高いのでは、という指摘もある。
慢性膵炎はほとんどがアルコールが原因になる。先に急性膵炎を起こし、何年か後に慢性膵炎に至っている例が大半。食後にみぞおちや背中が痛んだ経験がある人は要注意だ。
膵管拡張や膵嚢胞は健診などでよく発見され、膵臓がんのリスクを6~20倍上げる。
「いずれかがある人は、せめてMRIによる検査、できれば超音波内視鏡の検査を1~2年に1回受けた方がいいでしょう。膵嚢胞は専門機関でフォローアップをする。さらに、家系に膵臓がんがいる方もリスクが高いので注意が必要です」
膵臓がんに負けないためにできることとは、リスク因子を知り、正しい検査を受け、早い段階で治療を始めることしかない。