検査では異常見えず 胃不調「機能性ディスペプシア」とは
忘年会のシーズン真っ盛りで、胃の不調を感じやすくなった。「健康診断受診者の11~17%が患者」といわれるのが「機能性ディスペプシア」。昔は胃下垂や慢性胃炎と呼ばれ、胃の痛みやもたれ、食後膨満感、胃の不快感などが続くが、検査を受けても異常が見つからない。知っておくべきことを国立国際医療研究センター消化器内科・秋山純一診療科長に聞いた。
機能性ディスペプシアは、採血や画像診断などでは異常が見られない。治ったかどうか、客観的な評価ができないのが厄介だ。原因も、体質、ストレス、食生活などが絡み合い特定しづらい。そのため、治療を受けてもなかなか症状が改善されない人が多い。
しかし、中には適切な診断・治療が行われていないことで改善されないケースもある。まず、そもそも胃カメラを受けているか?
「胃の不調(ディスペプシア)が長引く場合、胃潰瘍、胃がん、逆流性食道炎を調べなくてはなりません。また、ピロリ菌があれば、除菌治療で著効することがあります」
過敏性腸症候群、胆管の運動機能低下、小腸の腸内細菌の異常なども症状が似ている。