薬剤師が危機感 「長期処方」に透けて見える患者の医療不信

公開日: 更新日:

 それに比べて開業医の先生方は、できるだけ1カ月に1度は病院に来ていただけるよう、長期処方は避けるようです。ある診療所では、14日間以上、原則薬を出さないようにしています。

 むろん、月に1度は患者さんに来てもらわないと再診料をいただけない、という経営上の問題もあるのでしょう。しかし、慢性期の病気の患者さんを診ている医師なら、月に1度の診察は当然だと思います。私は、患者さんの体のことは開業医の先生の方が考えているように思います。

 ならば、なぜ患者さんは大学病院に行くのでしょう? 万一、心臓などの重大病にかかったとき、大学病院の診察券があった方がいい、と思っているのかもしれません。しかし、“どうせ病院に行っても薬を出してもらうだけで、病院は何もしてくれない”という気持ちもあるのではないでしょうか。つまり、患者さんの医療への信頼や期待が薄らいでいるのです。

 医師が患者さんと向き合い、その期待に応えなければ、日本の医療は国民からそっぽを向かれる気がしてなりません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド