流行の「マイコプラズマ肺炎」で注意すべきこと
「マイコプラズマ肺炎が流行」というニュースがありました。マイコプラズマ肺炎というのは、小学生くらいのお子さんや若い人に多い肺炎で、1カ月も続くような、しつこい咳が特徴です。典型的なものでは、熱と咳が同時くらいに出て、あまり痰が絡まない乾いた咳が表れますが、年齢が上になるにつれて、痰がらみの咳が多くなります。
「マイコプラズマ」というのは、その原因になる病原体の名前で、細菌の一種です。一般の細菌とは少し構造が違うので、特定の抗生物質しか効果がありません。軽いものは、治療しなくても治ります。
以前は、マイコプラズマの感染症は診断が難しかったのですが、最近はインフルエンザのように喉から痰を取るだけで、その場で診断ができる検査器具が発売されて、診断がしやすくなりました。
ただ、注意しなければならないのは、簡単な診断は確実とは言えませんし、検査が陽性でも、それが肺炎の原因とは限らないということです。
最近の検査は病原体がいると陽性になるものです。しかし、「喘息の患者さんでは、マイコプラズマの慢性の感染がある」といった報告もあるので、実際には「肺炎の原因は別」という可能性もあるのです。
熱と咳が強く出た時には、お医者さんを受診した方がいいのですが、同時に「マイコプラズマの診断は簡単ではない」ということも覚えておいて損はないでしょう。