著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

往年のスターホースが教える「心房細胞」の怖さ

公開日: 更新日:

 中央競馬の一年を締めくくる師走の大一番「有馬記念」が迫ってきました。有馬記念といえば、思い出すのが「芦毛の怪物」と呼ばれ、空前の競馬ブームを巻き起こしたオグリキャップです。もう限界だとささやかれながら、引退レースとして臨んだ90年の有馬記念で、武豊騎手を背に劇的な勝利を飾った名馬です。

 オグリキャップは87年に地方の笠松競馬でデビューし、8連勝を含む12戦10勝の成績を引っさげて4歳(現3歳)1月に中央競馬に移籍しました。移籍後は、クラシック登録がないまま重賞6連勝を達成。古馬を相手にGⅠレースでも名勝負を繰り広げ、一躍トップホースに上り詰めました。

 そんなオグリキャップが、6歳(現5歳)になって大敗を続けるようになります。疲労による体調不良や脚部不安など、さまざまな原因を指摘されましたが、私は「心房細動」が関係していたのではないかと考えています。

 オグリキャップは、デビュー時の馬体重が450キロそこそこで、成長して軌道に乗ったころは480キロ前後でした。その後も徐々に馬体重が増えていき、精彩を欠いた当時は500キロに届いていました。この馬体重の増加が、心房細動を引き起こしていた可能性があるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”