極度の糖質制限は危険 がん患者が取るべき「正しい栄養」

公開日: 更新日:

 食べ物は、体内で炭水化物からブドウ糖に変わる。それが血液とともに全身を巡る間に、インスリンの働きで細胞内に取り込まれ、ピルビン酸に変わる。

「この過程を『解糖系』と呼びます。この時、細胞内が酸素不足、あるいはミトコンドリア内にブドウ糖の代謝産物ピルビン酸が進入できないと、ピルビン酸は疲労物質の乳酸に変わります。この乳酸からエネルギーを産生するのが『嫌気性解糖』です。がん細胞はこの経路でしかエネルギーをつくり出せません」

■終末期の栄養管理のギアチェンジで1割超が蘇る

 一方、細胞内に酸素が十分あり、ピルビン酸が細胞内のミトコンドリアに取り込まれると、「好気性解糖」が始まる。好気性解糖は正常細胞での主なエネルギー生成経路で、「生体のエネルギー通貨」ATPを産生する。

「好気性解糖なら、ATPは嫌気性解糖の18倍も多くつくれますが、酸素が十分あってもがん細胞は好気性解糖を嫌う。ですから、がん細胞が増殖するには、正常細胞の18倍の栄養素が消費されます。そのため、栄養を補給しないと体がどんどんと弱ってしまいます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情