貧富の差拡大の余波指摘も 米の平均寿命が22年ぶりに低下
国立健康統計センターが先日、米国人の最新の平均寿命を発表しました。それによると、2015年の平均寿命は78.8歳。前年より0.1歳短くなっており、国民の間に驚きが広がっています。なぜなら、平均寿命は国の医療・衛生水準とともに上昇するとされているから。1993年に平均寿命が下がった時は、エイズの蔓延で死者が増えたことが原因でした。
では、今回は何が関係しているのか? 死因1位の心臓疾患の死者数は増えているものの、その数はわずか。2位のがんに至っては死者数が減っており、どちらも無関係と考えられます。
平均寿命と関係しているとみられているのが、死因4位の事故死(交通事故やドラッグ過剰摂取など)、6位のアルツハイマー病、10位の自殺です。特に、ドラッグやアルコールの過剰摂取、自殺は「絶望死」とも呼ばれ、関係が深いとされています。
さらに、指摘されているのが「貧富の差の拡大」です。米国では、少数の富裕層がますます豊かになる一方で、貧困層が増え、大きな社会問題となっています。この貧富の差と平均寿命の関係を「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」が調査しました。