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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

心臓病集中治療室の地域格差 首都圏に全国の3割が集中

公開日: 更新日:

 急性心筋梗塞のリスクに関連して、心臓病の医療供給体制について見ていくことにしましょう。といっても、単純に循環器科や心臓血管外科を開設している病院数や、医師数などをあげても面白くありません。今回はCCU(冠疾患集中治療室)の数で、自治体間の比較をします。

 CCUは急性心筋梗塞を含む重度の心臓病に対応した治療室です。設備や備品については、一般的なICU(集中治療室)とさほど違いません。補助循環装置(弱った心臓のポンプ機能を一部肩代わりする装置)など、心臓病特有の医療機器が常設されている程度です。大半の心筋梗塞患者は、普通のICUでも十分に対応可能です。

 最大の違いはソフト面。CCUには専門の医師や訓練されたナース、臨床工学技士などが勤務しており、24時間体制で患者の治療と看護に当たります。また、手術室や血管カテーテル室の近くに設置されているので、患者の急変に即応できるようになっています。

 急性心筋梗塞の患者数は年間約60万~70万人。そのうちの約4万人が、発病から1カ月以内に亡くなっています。また、すべての心臓病患者数は約173万人、死亡数は約19万6000人に達します。それに対してCCUの数はまだ少なく、2014年の統計では全国で323病院、1759床に過ぎません。

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