サルコペニアは心臓を悪化させる
さらに、もともと心臓疾患を抱えている人がサルコペニアになると、病状が一気に悪化することも報告されています。
心不全患者を対象に行われた研究では、サルコペニアの度合いが高い患者は、心不全による再入院や死亡率が高くなることが明らかになったのです。
なぜ、サルコペニアが病状を悪化させるのかについては、まだハッキリ分かっていません。最近の研究では、筋肉には臓器の働きを維持するために重要な、生理活性物質を分泌させる内分泌器官としての役割があり、サルコペニアによってその役割が失われてしまうからではないかと考えられています。筋肉量が減少すると体全体のバランスが崩れ、心臓などの臓器にも悪影響を与えるのです。
心臓を守るためにも、サルコペニアを予防することが何より大切です。筋力の衰えを感じたら、毎日少しずつでもいいから近所を散歩するなど、下半身を動かすことを意識しましょう。激しい運動をする必要はなく、無理なく継続することが肝心です。