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聖マリアンナ医科大学東横病院失神センター・古川俊行センター長
今年4月、国内初となる「失神センター」が開設された。
失神の診療を専門とする「失神外来」(週1日)は、2012年から同大本院で行われていたが、それを本格的な診療部門(週6日)として切り離し、拡大した。そこで専任医師を務めるのが古川俊行センター長だ。国内の失神診療の現状をこう言う。
「国内で“失神”に興味をもつ医師は少なく、実際に診療にあたる医師も循環器内科や神経内科、内科など決まっていません。失神を含む意識消失の原因を診断することは難しい。失神を繰り返して困っている患者さんに十分対応できていなかったり、不必要な入院も多いのです」
「失神」とは、医学的には「脳に流れる血液が少なくなること」だけが原因で意識がなくなることをいう。「低血糖」「てんかん発作」「脳振とう」などを含めた「意識消失」(総称)のひとつである。
失神は原因別に3つに分けられる。①「起立性低血圧」②「自律神経の失神(反射性失神)」③「心臓の病気による失神(心原性失神)」だ。