白内障手術後も眼鏡なしに 多重焦点眼内レンズ最新事情
「年を重ねると健康な目であっても暗いところが見えにくくなります。そこであえてブルーライトを通す多重焦点眼内レンズも発売されました。その方が暗いところが見えやすいからです」
なかには“夜間にパソコンやスマートフォンの画面に含まれるブルーライトを浴びると体内時計が乱れて夜眠れなくなるのではないか”と思う人もいるかもしれない。しかし、日中に適切な量のブルーライトを浴びることは、朝起きて夜眠くなるという自然なリズムづくりに役立つという。
「お年寄りに睡眠障害が多いのは白内障により、十分なブルーライトが届いていなかったことも一因です。その意味ではブルーライトを透過させる眼内レンズは理にかなっているかもしれません」
■民間保険で費用をカバー
さまざまな問題点が改良され、使い勝手が良くなった新型多重焦点眼内レンズだが、残る課題は費用の問題だ。
単焦点眼内レンズを使用する一般的な白内障手術なら公的保険でカバーできる。費用の目安は3割負担の人で片目が5万円程度(日帰り)。しかし、多重焦点眼内レンズは原則全額自己負担。物によってはその10倍以上かかる。