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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

治療と仕事の両立<1> 時短勤務なら7割が半年で職場復帰

公開日: 更新日:

 残りの6割は、まさに治療と仕事の両立に苦しんだ方々。早期がんを除くと、復職までに1年近くの時間がかかるため、その間に職場での肩身の狭さから、居づらさを感じてしまうのです。

「がん対策に関する世論調査」によれば、「代わりに仕事をする人がいないか、頼みにくい」と「職場が休みを許すかどうか分からない」を合わせると約45%。両立の困難さがうかがえます。

 そんな現実に大企業は先手を打っています。東京女子医大のグループは、2000~11年の12年間に大企業で働く正社員のうち、がんで休職した1278人を追跡。その結果、6割強が1年以内にフルタイムで復帰していました。復職までにかかった期間の中央値は201日。約7カ月です。

 中小企業は、一般的な身分保障は3カ月程度ですから、その間にフルタイムで復帰できる可能性はグッと少なくなりますが、ある条件を加味すると事情が変わります。それが時短勤務です。

 フルタイムのほか、4~6時間の時短勤務を含めると、7割強が半年以内に復帰。復職までの期間の中央値は80日と、半数以上が身分保障期間の間に復職できる可能性が高いのです。

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