中高年は要注意…お酒の飲み過ぎが招く思わぬ病気の数々
急性膵炎は上腹部に激しい痛みが出て次第にその痛みが強くなり、数時間後にピークとなる。背中の痛みを伴う場合が多い。吐き気や嘔吐が起こり、食欲不振、発熱、下痢などが表れる。
一方、慢性膵炎は膵臓の線維化のほか、外分泌低下による体重減少、水面に油のように広がる脂肪便が出るのが特徴だ。飲酒中の吐血や下血も少なくない。どんな病気が考えられるのか?
「一番多いのはマロリーワイス症候群です。お酒を大量に飲んで血液中にアセトアルデヒドと呼ばれる毒性の強い代謝物が増えると脳の嘔吐中枢に信号が送られて、腹圧が高くなり嘔吐します。これが繰り返されると食道と胃の接合部の粘膜が破れて吐血することがあるのです」
食道の壁は内側から外側に向かって粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜の4層に分かれる。マロリーワイス症候群では食道の粘膜下層までしか裂けないが、食道壁がすべて裂けることも。それが突発性食道破裂だ。その裂け目から空気が漏れる縦隔気腫となったり、食べ物や細菌が漏れて縦隔炎が起こる場合もある。
「マロリーワイス症候群なら絶食して安静にしていれば自然と治りますが、突発性食道破裂は緊急手術が必要です。症状の違いは後者には激しい胸痛があることです」