中高年は要注意…お酒の飲み過ぎが招く思わぬ病気の数々
■“プチかっけ”にも要注意
痔持ちの人がアルコールを摂取すると血液の鬱滞が起こり悪化しやすい。これに下痢が加わるなどして痔核が破れて下血することがあるが、中高年に目立つのは大腸憩室出血だ。
「大腸憩室とは、腸の中の圧が高まって大腸の壁の一部が外に袋状に飛び出す病気です。人によっては100以上あり、便が詰まったり細菌が感染して炎症を起こして腹痛や発熱する場合が多い。お酒が刺激となってそれが破れて出血や腹膜炎を起こすことがあります」
絶食して1、2週間で軽快してそのまま治るケースもあるが、中には、数カ月後に腸管の癒着が生じて予後が悪くなるケースがある。
お酒を飲んで吐血や下血するのは他に胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂や急性胃粘膜病変などがある。
さらにお酒で胃壁が荒れるなどして鉄やマグネシウムなど必要な栄養素が取れずに倦怠感や集中力を失うこともある。
「お酒で一番失われる栄養素はビタミンB1です。アルコールは、腸から吸収され、血管を通して肝臓に到着。そこで代謝され、毒性の強いアセトアルデヒドに変わります。このときにビタミンB1が必要となりますが、お酒を大量に飲んだ場合は通常以外の経路でも分解されるため、さらに多くが消費されます」