笑うより効果的? 「泣いて元気」になる脳のメカニズム
実際に「涙―人はなぜ泣くのか」の著者で米国のウィリアム・H・フレイ博士がタマネギを切った時に出た涙と映画で感動したときに出た涙を比べたところ、後者には副腎皮質ホルモン(ACTH)が検出されたという。ACTHはストレス反応として分泌されるホルモンなので、情動の涙はストレスを体外に排出する働きがあるという。
泣くことは免疫力のアップにつながるとの見方もある。
「免疫とは、細菌やウイルスなど体にとっての異物を排除しようとするシステムのこと。笑いと同様、泣くことで白血球中のマクロファージ(貪食細胞)と、ウイルスなどが感染した細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞が活性化するという医療関係者もいます」
泣くだけで病気になりにくい体になるなど、にわかには信じがたいが、少なくとも泣いて気持ちがスッキリすることだけは確か。いまは心の底から笑うことができないという人は無理にはしゃがず、年末休みの間に「泣ける映画」「泣ける本」などに浸って思い切り泣くのも手だ。そうすれば「来年また頑張ろう」という新たな気持ちが湧いてきて元気になるのではないか。