寄生虫卵のんで自己免疫疾患が改善 世界注目の療法とは?

公開日: 更新日:

 世界で注目を集めているのに対し、日本ではこれまで触れられてこなかったのが「寄生虫卵内服療法」だ。東京慈恵会医大熱帯医学講座・嘉糠洋陸教授に話を聞いた。

 嘉糠教授は、初めて日本人を対象にした寄生虫卵内服療法の臨床研究を今月から開始。被験者は、年齢がバラバラの成人男性12人だ。来年度を目安に安全性を評価し、疾患への効果、レスポンダー(効く人・効かない人の判別)などを今後研究する予定だという。

 本来は体を守る免疫が暴走し、さまざまな症状を引き起こすのが自己免疫疾患だ。炎症性腸疾患、乾癬、多発性硬化症などがあり(囲み参照)、完治が難しく、難治例も少なくない。これら自己免疫疾患に効果があるとみられているのが、寄生虫卵内服療法だ。

「寄生虫に感染すると、寄生虫を主に攻撃する特別な免疫反応が働きます。すると、暴走している免疫反応が抑制され、自己免疫疾患の症状が治まるのです」

■欧米では十数年前に安全性が証明

 免疫反応は、例えるなら遊具の「シーソー」のようだ。一方の免疫が働けば、もう一方の免疫が抑制される。寄生虫卵内服療法は、このメカニズムを利用している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット