心臓の悪性リンパ腫の手術でチーム医療の重要性を再確認
その患者さんは、手術で腫瘍をしっかり取り切ることができましたし、病理診断によって抗がん剤が効きやすいタイプの悪性リンパ腫だったこともわかりました。今後、治療を続けながら、これからも長生きできるでしょう。
今回、その時だけでなく将来も含めて患者さんを“救う”ことができたのは、しっかりしたチーム医療のたまものです。まずは、心臓にできた腫瘍をきれいに取り除く手術ができなければなりません。この時、心臓に必要以上のダメージを与えて心機能を低下させないようにすることも求められます。そして、切除した腫瘍の組織を顕微鏡で正確に診断する優秀な病理専門医が必要です。さらに、これから専門医のもとで最適な抗がん剤治療を実践していくことも重要になります。
心臓手術の中でも、悪性疾患の心臓の手術はそれだけ数多くのスタッフが関わっています。仮にどこかの人材が欠けていたら、最適な治療は実現できないと言ってもいいでしょう。それぞれが役割分担をしっかり確実にこなせるチームがあることが、患者さんの生存率を高めているのです。手術はチーム全体の力がカギを握っている。それをあらためて実感しました。